錦野 宇志郎『「スタバが怖い! 」がわからない人はマーケッターをやめなさい!! 』スタバで売られているのはコーヒーだと思っていません?

スタバの魅力を探る本は何冊もある。
しかし、こちらはスタバを敬遠する理由が言語化されている面白い本。
スタバというか、スタバにいる「意識高い系」を敬遠するのだな。
スタバのファンは、いい気分にはならない本ではあるが…。
人は、何に対してお金を払っているのか?を、考えると楽しめる本。
概要
スタバが怖い!
メニューがわからない。あの長い呪文はなんだ。
ほかのコーヒーチェーンもあるのに、なぜ並んでまでスタバ?
MacBookでエンターキーを派手に叩くような、意識高い系の客?
ホスピタリティ全開のプロすぎる店員さん?
マーケティングに興味がなくても、読むと、「スタバが怖い」のは私だけじゃないと安心する本。
スタバでは何が買われているのか?考えるヒントにも。
感想。
#スタバなう
2013年7月16日付日経BizGateで紹介された、Twitterから見るスタバとドトールの比較の話が…想定通りだった。
集計期間は、2012年6月~2013年5月のツイート数で、
「スタバなう」&「スターバックスなう」が3500ツイート。
「ドトールなう」は500ツイート。
「スタバなう」は「ドトールなう」の約7倍とのこと。
やっぱりね。
当時出店数はスタバが950店舗でドトールが1100店舗だったのに、この結果。
やっぱりスタバは一種のアクセサリーなんだな。
あれだ、インスタ映え。
スタバで買うのは、コーヒーとSNS映えなんだな…。
スタバは大好きですけど。
でも、確かにスタバってオシャレで可愛いデザインだから、写真に残しておきたくはなるんだよなぁ。
Mac率が高い
興味深かったのは、スタバではWindowsユーザーよりMacユーザーのほうが多いのでは?
インターネットは、9割近くがWindows搭載のパソコンからアクセスされている。
しかしスタバに限っては、Macユーザー率が高くね?という話。
これは私の肌感覚ですが、スタバでPCを使っている人が10人いたら、Macユーザーは8人くらいはいます。
いや、さすがに大げさじゃ…。
Windowsによるインターネット利用が多いのは、オフィスに設置されたパソコンも含むからでしょ…。
個人持ちに限ったら、もう少しMac率が上がるとも思うけど。
確かにスタバはほかのチェーンに比べても、ノートパソコンを使っている率が特に高い気はする。
Macかどうかまでは知らんし、そこまでジロジロ見ないけど。
ただ、確かにスタバの雰囲気が怖いときはある。
以前、待ち合わせまで時間つぶしで、新宿のスタバに入ろうとして、断念した。
あまりにも真剣にノートパソコンに向き合う人が多かったのだ。
ただ読書をするだけでも、なんとなく気後れしてしまう雰囲気だったんだよな…
おしゃべりしている人が多くて、読書や勉強をあきらめたカフェはあった。
でも、意識高い系の雰囲気に諦めたカフェは初めてだ。
店舗にもよるけど、スタバは集中して勉強したいときにもいいんだけどなぁ…。
意識高い系あるある
「意識高い」ひとは黙々と努力をする。
(上島珈琲にて、黙々と勉強・仕事の資料づくりをしている感じ。)
意識高い系は意識高いと似て非なるものだと、考察が面白かった。
意識高い系は意識高い系どうしでつるみ、「人と人との化学反応」が好きと言いたがる、に笑った。
自分じゃ何かを燃やせるほどの燃料を持っていないから、つなげたいんでしょ。
まとめ
意識高い系@スタバあるある…で終わらせたら、勿体ない本かも。
スタバで買われているものは、コーヒーだけじゃない。
作業やおしゃべりをする時間や場所もそう。
さらにインスタ映え(≒オシャレで意識が高い自己認識)がスタバで買われているんだ…他のチェーンよりスタバが強みをもつ「商品」だ…と思う本だった。
「何にお金が払われているのか考えろ」という意味で、よくつけられたタイトルだ。
自分でも、ストレングスファインダー的に分析思考っぽい読み方だと思うよ…。
妄想編。
もし私がオンラインサロンの勧誘を請け負ったら、#スタバなうのハッシュタグから、ターゲットを物色探すわ…
特にテラス席で、流行りの自己啓発本とMacBookも写していたら。
だって、テラス席なんて、光が反射してパソコンが見づらくて実用的じゃない…。
仲間じゃなくてカモ…セールス的な視点で。笑
いや、スタバ大好きだけど。
スタバのタンブラーも、可愛いので大好きだけど。
Surfaceユーザーだからって、MacBook派に対抗意識を燃やしているわけでもないけど。笑
おすすめ本
常見陽平『「意識高い系」という病 ~ソーシャル時代にはびこるバカヤロー~』
意識高い系あるあるなら、この本。
そうそうこういうのが、鼻につくんだよ!とか、うへぇ自分もやっちまったなぁ、と恥ずかしくなったり。
吉本佳生『スタバではグランデを買え!』
スタバ繋がり&何にお金を払っているか?と考えるキッカケに、おすすめの本。
吉本佳生『スタバではグランデを買え!』
【追記】山口揚平『新しい時代のお金の教科書』
「消費者は、承認欲求を満たすためにお金を払っている」
そこに気づける企業が生き残れるよ、と、クックパッドを例に指摘している。
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