佐藤義典『新人OL、つぶれかけの会社をまかされる』差別化ってこういうこと!

佐藤義典『新人OL、つぶれかけの会社をまかされる』差別化ってこういうこと!

「マーケティングって何?」と初心者向けにわかりやすい本だと思う!。

「競合と差別化をはかる」

そんな差別化されていないアドバイスは聞き飽きた。

具体的に、差別化ってなんなのさ…

概要

赤字を垂れ流すイタリアンレストランの、収益改善を任されたOLのお話。

「料理が美味しけりゃ売れるんだよ!」という現場の料理人に反発されたり、
意気込んで作った収益改善案を、上司にも滅多クソに言われたり…

一体どうしろっていうんだ!

と、「お客は何にお金を払っているのか?」を考えるところから始まる。

なぜ、客はこのお店を選ぶ…?

ほかのお店じゃなくて、このお店である理由って…?

小説仕立てのマーケティング入門本。

感想

差別化の説明が差別化されとる。


差別化は、次の3つの軸に分けられる。


商品軸

高品質で勝負!

高くてもいいものだから、買う。

職人肌の人が、質を追求するイメージ。

パソコンでいえば、Apple社のMacBookみたいな。

密着軸

お客様の要望をかなえるサービスを!

お客様第一営業マンが強い会社のイメージ。

パソコンでいえば、PanasonicのLet’snote(レッツノート)。

実はカスタマイズできる。

手軽軸

早い!安い!便利!

チェーンに多い、薄利多売モデル。

パソコンでいえば、DELL

(と、たとえられていたけど、今はファーウェイが浮かんだ‥。)

 

で、差別化って色々言われるけど、結局この3つに落ち着くよね~って話。

どんな戦術をとるか?の具体的な方法を考える前に、

まずこの3つのうちどの路線で行くかはっきりさせろと。

それぞれ、両方あるいは全部ってほぼ難しいからやめろと。


①or②と③…接客や品質を追求すると、低価格路線と相性が悪いのはわかる。

で、①と②の違いは、客の要望にあわせるか品質を求めるか。

たしかに、①を追求するなら、②もどこかで切捨てないといけない。


あれだ、私のイメージだと、頑固おやじのラーメン屋のイメージが①

客に「チャーハンはメニューにないの?」と聞かれて、

「うちの商品は、ダシにこだわった醤油ラーメンだよ!違うものが喰いたきゃ他の店に行け」みたいな。

②の路線だとチャーハンも検討してみるか、みたいな。

(私の説明が分かりにくい…なら、直接読んでくれ。)

ストレングスファインダー的な感想。

①は、最上志向と親和性が高い考え方だ。

よいものを追求。

②は個別化アレンジと親和性が高そう。

人に会うのが苦でないなら、社交性も発揮できるか?

(逆に最上志向や公平性は、しんどい場面もある…?)

③は力でごり押し感があるな‥

目標志向達成欲が強い人が、この薄利多売モデルの罠にハマらないといいな、と思った。

まとめ

差別化の説明が、差別化されていて面白かった本でした。

おすすめ本

錦野 宇志郎『「スタバが怖い! 」がわからない人はマーケッターをやめなさい!! 』

「何にお金を払っているか?」

スタバの競合だとしたら、どの路線でいく?など、考えながら読むと面白いかも。

錦野 宇志郎『「スタバが怖い! 」がわからない人はマーケッターをやめなさい!! 』スタバで売られているのはコーヒーだと思っていません?

 

勝間和代『勝間式「利益の方程式」─商売は粉もの屋に学べ!』

安易な値下げは悪」というコンセプト。

③の薄利多売モデルに走りたくないな、と思う1冊。

参考文献も充実していて、とっかかりとしておすすめ。

勝間和代『勝間式「利益の方程式」─商売は粉もの屋に学べ!』インターネットの貧乏神に取りつかれないために