山口揚平『「そろそろ会社辞めようかな」と思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』【需要なくして、好きなことで食べてはいけないから】
「これからは、どんな会社に所属するかじゃない、個人の時代だ」
「好きなことで食べていく」
といったセリフは、聞き飽きた。
いや、うそ、聞き飽きたってカッコつけたけど、夢がある。
こちらで紹介するのは、「好きなことで食べていく」夢を、
現実に近づけるヒントを与えてくれる1冊。
概要
収益モデルや、サラリーマンとフリーランスの判断基準の違い。
独立までの人生設計や、雇ううえで、人との付き合い方…。
マーケティングに興味がある人、
起業や独立に興味がある人、一読の価値あり。
「社長の精神論」ではなく、コンサルタントが、
具体的なヒントや判断基準を提供してくれる本。
感想
①収益モデルを考えたら、固定費はそりゃあ…
”固定費に関しては徹底的に憎む”
継続的な収益モデルを考えると、逆=支払う固定費は減らすべき、
というのは納得。
わたくしも、たまに、
「一等地に立派な賃貸物件を持って、夢の不動産収入=不労所得」など、
憧れるわけだが、
逆に支払う立場になると、
毎月払う家賃は、誰かの夢の不労所得に化けている。
いや、厳密には「不労」じゃないんだけどさ。
継続的に支払うものが収益になるということは、
その逆である、継続的に支払うお金は削るべきである。
とはいっても、固定費を「必要経費」と、つい過大に見積もりたくなったら、
”固定費の増加は、会社の自然な成長というよりも、会社や自分を大きく見せたいという自分のエゴの結果であることが7割以上と思った方がいいです。
特にこの起業時代に至るまでに孤独な独立時代を過ごしているので、なおさら、社会や友だちに対して見栄を張りたいという気持ちが大きくなってしまっているのです。”
というフレーズを思い出したい。
(別にサラリーマンでも、固定費の考え方は役に立つと思うし!)
それでも「必要」な固定費か、増額すべきか迷ったら、
”固定費を上げるときは必ず第三者に相談しましょう”
とのこと。
確かに他人のほうが、本人のエゴか必要経費かどうかを見抜いてくれそう…!
虚栄心というものは、往々にして他人に見破られているだろうし。
②レベルが高いステージは、他人がもたらしてくれる。
潜伏時代から独立時代へ変化するキッカケは、他人から仕事を依頼されること。
受けるかどうかは別にして、
自分のアイディアやスキルに値段がつくことが大事だと。
ステージは自分が変えるのではありません。他人の検証が必要なのです。
と、当たり前なようで、
「好きなことで食べていく」ために非常に重要だと思う。
他人からの依頼のないうちに、自分が思うこと、好きなことをやってもそこにマーケットはないと思ったほうがいいでしょう。
需要なくして「好きなことで食べていく」は不可能だ。
③ご祝儀案件を知らずに独立したら、コワいぞ。
他にも「ご祝儀案件」という考え方が印象深かった。
これを知らずに独立していたらコワいぞ。
「ご祝儀案件」とは、
独立して1年以内に受けた仕事は、周りの人が
「こういう仕事できる?といって誘ってくれること
他人がご祝儀の意味で、仕事をふってくれたり、
報酬にも色をつけてくれているので、
ご祝儀案件=自分の実力、と過大に見積もるなと。
丁稚時代に貯めていたクレジット(信用)を消費している
に過ぎないと。
④雇った人の人生すべてを受け入れない
人を雇う場合、最初に「別れる覚悟」ありきという話が印象深かった。
さらに(雇う人)「その人の人生すべてを受け入れない」というフレーズも。
これは、経営者だった亡き祖父の口癖、
「社員は、恋人や家族じゃない、使えるところを使えばいい」
を、思いだした。
中小企業じゃ、一流企業のような人材はこないから、
「社員をどう使うかが、社長の腕の見せどころだ」としょっちゅう話していたような気がする。
まとめ&こんな本もお勧め
なんとなく起業がカッコイイ、と思う大学生。
今の職場に行き詰った会社員。
マーケティングに興味がある人‥
と、読んで損はないはず。
私もビジネスモデルに興味があって行きついた本だしな…
ラクではないけれど、最も希望が持てると思った言葉は
これは本当のことですが、独立してやっぱり食えなかった、という人には僕は会ったことはありません。
何だかんだ言って、みんなちゃんと暮らしています。
と。
私はとても悲観的に物事を見がちなので、
リスクを取りながらも、きちんとした判断基準を持ち、
しかるべき努力をしていけば、人生どうにかなるのかね…と思ったり。
★こんな本もお勧め
好き=食べていく、を実現化するという意味でも、
八木仁平『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド 』も良かった。
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