【本の話】和田秀樹『日本人には「2つの性格」しかない』/イマドキの若者を分かった気に…!
私は面白いと思うんだけど、驚くほど興味関心すら持たれていない本。
自分が面白いと思うのに、皆が読んでいない本を見つけるとうれしい。
だからこそ、書評を書きたくなるのだ。
概要
人は心が壊れると、統合失調症(シゾフレニア)かうつ病(メランコリー)どちらかになる。
それぞれの病状は真逆の様子を示すことから、人の性格は、正常の範囲内でも、いずれかに偏っているのでは?という疑問から生まれた、著者独自の性格2類型である。
イマドキの「シゾフレ型」
・「みんなと同じ」に価値を置く
・首尾一貫性はなく「今」が大事
・本音をぶつけあう「深い」付き合いは望まず、さらっと広く浅い人付き合い
頑固職人?「メランコ型」
・自分の価値観が大事
・「過去」に縛られる
・人間関係は深く狭く、恋愛は重たい一途!
1955年生まれを境に、日本人の多数派は、メランコ型からシゾフレ型に移行していると説く。
また、男性より女性のほうがより、「シゾフレ型」が多いとのこと。
それぞれ良い悪いはないものの、偏りを知ることで、
「イマドキの若者」も理解できるとのこと。
自分が「シゾフレ型」「メランコ型」どちらに偏っているか、診断テスト付き!
感想
「メランコ型びいき」だが、大歓迎!
「良い悪いはない」と言いながらも、全体としてメランコ型を持ち上げている気がする。
著者がだいぶ、メランコ型寄りだからだろうけれど。
まぁ、私自身メランコ型だから、むしろ読んでいて心地が良かったが…。
で、付属の診断テストによると-30点以下が「メランコ度強」とのこと。
私は-37点…。
診断テストを受けながら、あぁ私は自分を曲げないなぁと改めて感じたよ。
とはいえ、流されない自分の性格は、なんだかんだ好きなんだろうなぁ。(だから生きづらいのだが)
しかし、「シゾフレ型」の協調性は大してうらやましいとは思わないが、適応力は今の時代非常にうらやましいな…
「切り替えの早さ」って自分にない長所。
粘り強いと思いたいが。
「マイノリティだったメランコ型」
1965年生まれ以降の男性については、メランコ型は3%しかいないとのこと。
そうか、ワイのストライクゾーンが狭いわけだ。
「自分をしっかり持っている人」が理想の男性像だけれど、希少な生き物だったのか。
厳重に保護すべき生き物だな。
世代や性別でラベリングはしたくないと思いつつ。
たまたま私の周りに、「メランコ型」(頑固で努力家が多い)が多いだけなのかしら。
類は友を呼ぶ。
ズッ友ならぬ、類友だよ☆☆
ネタだと思いたい!「志望校を落とすべきでしょうか?」というお悩み
「イマドキの若者」の生態を示すエピソードとして。
受験指導をしている著者のもとに、
「周りの友人にあわせて、志望校を落とすべきしょうか?」というお悩み相談が、来るようになったと。
(おもに女子高生)
少し前では考えられない悩みだと、衝撃だったと。
いやいやネタでしょうと思いたい…。
盛っていると思いたい…
だって環境と能力が許す限り努力したいし、自分の人生は自分しか責任を取れないっしょ…
なんで私が頑張っているのに、上を目指せるのに、人に合わせなきゃならんのだ
と思うあたりがメランコ型に偏っているのだな。
(周りがそんな考えばかりなら、努力したら出し抜ける!とも、シゾフレ型は思わないんだろうなぁ‥)
「メランコ型」がマイノリティ説、信ぴょう性をおびてきたぜ
人が読まない本を見つけた快感♡
この分類、「心が壊れると」という出発点から、なかなか興味深い分け方なのに、知られていなくてもったいない。
著者も自信満々の理論だし、私も面白いと思うが、この本は本当に読まれていない…
2020年7月現在、アマゾンレビューもなければ、読書メーターも登録1号が私。
(で、「みんなが読まない本を見つけた!」と満足している)
多数派である「シゾフレ型」を持ち上げる方向で書けば、もう少し「売れる」かもしれない。
でも、著者のような「メランコ型」は、「売れる」からと、自説を曲げないだろうなぁ。
【追記】
周りに合わせすぎて疲れちゃうシゾフレさんも、
己の信念に囚われて生きづらいメランコさんも、
どちらもラクになれるシリーズがこちら!
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