阿部広太郎『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』/ひらめきは蓄積から生まれる

阿部広太郎『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』/ひらめきは蓄積から生まれる

大木亜希子さんのツイートがキッカケで、興味を持った本がこちら。

素敵な文章を書く人は、何を吸収しているのだろうと、お勧め本があれば食らいついてしまうよ。

(ましてや、綺麗なお姉さんが勧める本となれば…。)

改めて、「ひらめきは、蓄積から生まれる」と自説を信じたくなったよ。

概要

コピーライターは、心をつかむ言葉を、いかに編み出しているのか。

「自分の言葉」で伝えたい人必見!

夏目漱石は、「I LOVE YOU」を「月が綺麗ですね」と訳したが、
あなたはどう訳す?と、始まる冒頭。

心を掴む言葉とは、「愛」と書かずに「愛」を伝える言葉ではないか。

そのためには、自分なりに言葉を定義することだ‥と。

じゃあ、何をすればいいのか……似合う言葉を見つけるために、今日からできる、具体的な取り組みの紹介。

感想

☆辞書を使って、語彙の蓄積

辞書を引く習慣をつけろというくだりが、刺さった。

おぼろげに感じている意味をつかうむ上でも、引けば何かしら発見がある。

本書では、併せて、語源も調べることを勧めている。

あぁ、辞書を引く習慣がなかったなぁ…、

日頃から、語彙力が豊富だの、言語能力が高いだの、自称してくるくせに。

思えば、英語を勉強していたときは、わからない言葉に出くわすたび、

英英辞典と英和辞典(メインは紙の辞書)の二刀流で、
語源、類語、対義語、使用例もチェックしていたんだよな。

英英辞典の場合は、説明している言葉もよくわからないから、さらに辞書を引いて、英和辞典と読み比べていた。

この方法は、理解できる単語が芋づる式に増えるので、非常にお勧め。

…と書いていて、同じことを私が日本語で行えば、鬼に金棒、弁慶に薙刀だな。

なじみのない言語は、ひとつひとつの言葉をじっくり勉強したのに、母語となると油断してしまうね。

Kindleにも辞書は入っているけれど、やはり紙の辞書も買おうかしら。

電子書籍派だけど、辞書は、紙派だよ…。

☆凄まじ!ヤバい!エモい!の禁止から生まれる蓄積

これは私も心掛けている!というのが、

感情が揺さぶられたときに、安易に使ってしまいがちな言葉を、使わないということ。

たとえば

「ヤバい」「すごい」「エモい」など、使えば何でもいい塩梅になる「味の素」のような便利な言葉。

と。これらの言葉を使わずに、的確な言葉を探す習慣をつけようよ、と提案している。

やはり辞書は必需品だね。

 

そういえば、語彙力が貧困な人たちは「ヤバい」で会話が成立してしまう、と何かで読んだなぁ。

もともとは危険が迫るような、悪い意味で使われていた言葉が、「心が掴まれるほど良い」というニュアンスに転化した言葉だからねぇ。

「ヤバい美味しい」と「ヤバい不味い」といったように、真逆の言葉と併せて使える、不思議な言葉だよな。

ふと思ったけど、きっと、語彙力がない平安時代の人々も「凄し」で会話を成立させていたのかな。

「凄し」も、「ヤバい」同様に、もともと悪い意味だったのが、ぞっとするほど素晴らしいと良い意味に転化したから…。

あぁ、千年後、平成時代の言語を学ぶ人たちは「ヤバい」を訳すのに、苦労するだろうな…。

あと、「泣ける」と紹介された帯にくるまれた恋愛小説にも同じことを感じる。

恋愛小説って、心の動きを表してなんぼのもんじゃい!と思うのに、「泣ける」という安易な表現に逃げるなやと。

最近流行っている「エモい」も、語彙が貧困になりそうで、使いたくないな…。

ただ、個人的に使ってしまうのは「素晴らしい」「すごい」「素敵」の3つかなぁ。

気をつけよう。

 

☆感動を広めたい、対象への愛を蓄積。

”最初のフォロワーになろう”

という考え方も響いた。

「上半身裸で踊る男がいて、周囲はそれを遠巻きに見ていたが、

二人目が参加して、さらに二人で元気よく踊りだし、三人目、四人め、と続々人が増える…」というエピソードが紹介されていて。

最初に上半身裸で踊った男(最初に行動を起こした人:リーダー)も、二人目がいなかったら、ただの孤独なバカ。

自分がまず、誰かに「楽しそうじゃん!」と伝えて、一緒に踊りを楽しむ人が一人、また一人、と増えていく…二人になろう、と。

あ~~私、この二人目の立場なら、死ぬまで心の中でドヤ顔していそうだわ…。

 

考えてみたら、ブログや趣味用のTwitterアカウントを作ったキッカケも

「いいね!」ボタンじゃ物足りなくて、

魅力を伝える言葉を探して、発信していきたいからだったのよね…。

かつてmixiレビューにぶつけた情熱と同じく。

(あっ令和の若者はmixiなんて知らないか…?とオッサンくさいことをつぶやく)

流行っているもの、検索されそうなキーワードを探すより、自分がいいと思ったものを発信するほうが、やはり性に合っているかもしれない。

と、ふと原点に返った気分になるなど。

☆「I LOVE YOU」からひねり出す謎ポエム

「こぼしたサラダが距離を縮めてくれた」という、謎ポエムが浮かんだ。なんじゃそりゃ。

あれだよ、LOVEとは「カッコ悪いところが魅力的に見える」という定義はブレないんだよ‥

君のしぐさが滑稽なほど優しい気持ちになれるんだよ♪

(Mr.children/名もなき詩)

みたいな。

きちんとして見えた人が、サラダの取り分けが下手で、不器用さに親近感を覚えたとかそんな話かな。

くそぅ、あとで消すかも。気が向いたら、ネタとして残しておくかも。

どうも、私は定義は得意だけど、言葉を選んでそぎ落とす作業(短歌とか詩とか)は向いていないみたい。

「素敵な文章」とは…

あらま、この文章も、冒頭で既に「素敵な文章」という禁止ワードを使っちまったぜ。

この際、あえて書き直さずに、私が思う「素敵」な文章について、ちょろっと考える。

素敵な文章とは、読みやすいこと?

いや、それより、多少長くても、多少癖が強くても、大事なのは…「似合う言葉を探しながら書いた文章」という感じ。

逆につまらない文章は「自分の言葉で書かれていない」文章だけれど、

「『自分の言葉で書く/語る』とは何ぞや…」と掘り下げるとキリがないんだよな…。

あぁ、言語化への、終わりなき旅は、とどまることを知らない。

【追記】「自分の言葉で語る」とは、音楽から発見した

Mr.children『声』と掛け合わせてみた

https://book-ground-music.me/books/137080/bgm#bgm-3948

そして、桜井和寿流I LOVE YOUの訳し方は「寄りそう」なのかしら。