【妄想本棚】闇抱え男子を拾ってしまう,闇抱え女子の本棚【本の話】
現役書店員さんの妄想本棚シリーズが、非常に面白い。
【#妄想本棚:闇抱え男子編】こんな本読んでる人に好きって言われたらどうしよう!書店員が本気出して彼氏の家の理想の本棚作ってみた。《川代ノート/シリーズ第二回》
特に、この記事の中の「妄想彼氏」が、スパイスが効いていて、たまらない。
妄想上の闇抱え男子の設定が、非常に精密だから、自然と闇抱え男子にお似合いの本が紹介されるのかと。
あまりに面白いので、闇抱え男子の成育歴及び、闇抱え男子を拾ってしまう女子の本棚を妄想して記事を書いてしまった。
1.本棚を見ながら、闇抱え男子の闇を妄想する。
注文の多いヒモ男が「注文の多い料理店」を読む皮肉とか、ツッコミどころ満載でw
早稲田の文学部に、結構転がっていそうな男…。
「うちの親、谷崎だけは大っ嫌いだったんだよね」
いやぁ、闇がぷんぷんw親を言い訳にする軟弱さ、俺をわかって感が出てまたうざいね!
しかし、この彼だと、ナオミにハマる主人公をひたすら嫌悪していそうな気もする。
奔放に生きたいのにずるい!という己の「奔放に生きたい」欲にも気づいていなくて、
なんとなくレールに乗れない自分も嫌だけどレールから外れる主人公を見て「俺よりはましだ」って読み方を、していそう。
と、闇抱え男子の成育歴を妄想がはじまります♪
①妄想劇場 闇抱え男子の成育歴
闇抱え男子は、いかにして作られしか。
さかのぼること12年前。
彼が10歳にして背負っていたものは、「N」が印字された紫のバックと、ママの期待。
そう、超絶厳格なパパへの反抗心を抑えつつ、ママに喜んでほしくて中学受験塾で真面目にお勉強。
2月1日が決戦、から始まり、第三志望の中高私立の男子校(御三家や準御三家ではない程度の、名門)を経て、早稲田の一文…はないんだった、早稲田の文学部に合格。
きっと高校時代も、ナンパや合コンに励みつつ、さらっと慶應に合格するような同級生を横目に、真面目にお勉強。
そのころから着々と、「俺が努力したって、地頭の良さでかなわないんだよなぁ」というコンプレックスを、うっすら積み重ねる。(高学歴ゆえの悲劇、地頭コンプレックス!)
本人もどうしても文学をやりたいというわけではなくて。
早稲田の中で、法、商、と落ちて(「政経」を受験しないあたりは身の程をわきまえている?)、社学にも受かったけれど、
親の「社学なんて昔の夜学」と止められて、文学部へ進学。
慶應は、中学受験で付属に落ちたから、受けなさそうで、代わりに上智を無理やりうける。笑
うわー、なんか色々こじらせていそう!
②闇抱え男子が、二十歳に抱えた闇とは
二十歳のときに「色々あった」のは、初めての彼女を、ママに侮辱されたこと。
友達が、バイト先の女の子を紹介してくれ、初めての彼女。
高田馬場にある、美容室の専門学校に通う女の子、親のいいなりで勉強ばかりしてきた彼にとって、自分の意志で進路を決めた彼女は、新鮮だった。ていうか、可愛い。
しかし。ある日、ママにバレて、「専門学校の、大学にも行っていないような頭の悪い女の子なんてだめ!」と猛反対に会い、目の前で彼女が侮辱される。
そんなときに、とっさに母親に反抗できなくて、彼女を守れない自分が嫌‥と闇落ちして、自分を変えたくて買った本がこちら。
エーリッヒ・フロム「愛するということ」
名著なんだけれど、この青年はまだまだ到達には遠いと思う。
「愛され」より「愛する」ほうが難しいんだよ!
あれ、でも今も「この本のとおりに俺様を愛せ」ってオーラが出て、ほっとんど成長していなさそう。
むしろ「こんなトラウマがあるかわいそうなボク」感が拭えない
個人的には、この本が彼氏の家の本棚にあったら、好き度が上がる。
うれしくて、つい写真を撮りたくなるのを、自重するくらいには、テンションがあがる。
だから、なんでこのヒモ男の本棚に、名著があるんだ!?ふぬ!?と、無理やり「納得できそうな」それらしい妄想エピソードをつけてみた。
でも、「かわいそうなボク」度を増しただけのような、闇を冗長させるだけのエピソードだったね。妄想だけど。
2.闇抱え男子が好きな女子の本棚に入っていそうな本(妄想)
闇抱え男子が好きな女子は「コレを読め!」と紹介したくなったが、とっくに本棚にありそうな本でもある。
1)太宰治「人間失格」
大抵これを読んだ人は「主人公は俺だ」「いや主人公の気持ちがまったく理解できない」とはっきり二分されるそうで。
私はこれを初めて読んだ10代に、「あぁ、主人公に群がる女が私だ」と目覚めたわけです。
「私がなんとかしてあげたい」って面倒をみたがる女性、一種の共依存というか、自己承認欲求というか、女性側にも、闇を感じる。
「太宰を愛読するような男はやめておけ」と言われるほど、闇抱え男子ばっかり惹かれた時期もあったのですが、
それは私も闇み抱え女子だからでしょうか。と自覚することが抜け出る第一歩?
2)島本理生「ナラタージュ」
じわじわ、闇抱え男子を味わえる一冊!
島本理生の小説がわりと、闇抱え男子(とそれに萌える女子)が多いんだよね。
ここに出てくる男性が、どれもこれも闇抱えのズルい男ばかりなんだよなぁ。
ズルくて弱いんだけど、その闇と弱さに萌えてしまう。
また、社会的には、まともな人たちなので、普段の「まともさ」と、抱えた闇の落差がまた萌えるこわい。
特に、普段クールな主人公の彼氏が、嫉妬に狂った様子は、闇抱え度高めで怖かった。
あれ、私、普段クールできちんとしている人が、崩れる瞬間に非常に萌える時期もあったのだけれど。
これ闇抱え男子萌えの変型版だね!!
3)二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密 」
このまま、「闇抱え男子萌えでいいのか?」と悩んだときにお勧めの一冊。えぐられた!
「ヤリチン」を自認する著者自らが、「自分を傷つける男性を好きになる女性」のメカニズムを説いた一冊。
読みやすいけど、深い。チャラぶっていろんな女と寝る男ばかりが「悪い」男ではないんだなぁ…「オタク」のヤリチンのタチの悪さよ。
3.闇抱え男子萌え、という奇病
しかしインテリ闇抱え男子萌えって、我ながら、なんだったんだろう。
闇抱え女子が、サピオセクシャルをこじらせた、一過性の流行り病だったのかしら?
ただ、闇抱え男子に惹かれる女子に「そんな男を好きになるのは、やめておけ」というのは、コーラをかければ妊娠しないくらい、無意味な台詞だと思う‥!
闇抱え男子が好きな女子については、気が済むまでパンドラの箱を開ければいいし、パンドラの箱は最後には希望が入っているし、自分の願望に正直に生きて、大丈夫なんじゃないか。
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